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ヒット映画を担当するアニマルトレーナーのお仕事とは?

2012.05.08 TOTAL ACCESS:59

ヒット映画を担当するアニマルトレーナーのお仕事とは?

近年、犬猫が出演する映画がヒット!たくさんのタレント犬たちが活躍する中、動物を映画に出す際に起こる問題などの裏話も聞ける!?

映画「一枚のめぐり逢い」のアニマルトレーナーを担当したブーン・ナーをインタビュー。
本作では、主役のザックの傍にいつもいるパートナー犬、ロウディ(ジャーマン・シェパード)を担当している。

彼は今までにも「グリーンマイル」や「スチュアート・リトル」など、30年もの間、映画やテレビに動物を訓練し、出演させてきた名動物プロダクションのトレーナー。

アニマルトレーナー ブーン・ナーのインタビュー

ロウディ(ジャーマン・シェパード)をどうやってザックに慣れるようにしたのでしょう?

ブーン・ナー:ぼくらはザックと一緒にロスで時間を過ごしたんだ。二人の間に関係を築くためにね。ザックは自分の人生のほとんどで犬を飼っていた。だから直ぐに仲良くなれたんだ。そのお陰でぼくの仕事はずいぶん楽になったよ。なぜなら多くの場合、、、これまでに役者があまり犬が得意じゃなかったり、犬が役者に慣れていなかったりした作品もやったことはある。そうなると演技が必要になってくるんだ。スクリーンに出ている人の犬たちに見えるようにさせるためにね。ぼくが今までに躾た最も大変なこと、または映画で躾ることで最も大変なのはそのことだよ。画面の中でその犬がその人の犬に見えるように、観客に信じ込ませることだよ。カメラの後ろにいるトレーナーではなくね。そのためにぼくらはずっと戦っているんだ。出来る限り自然に見えるようにするためにね。

この映画の前からザックは犬好きだったわけですか?

ブーン・ナー:そうなんだ。彼には犬が2匹いる。彼は犬にはとても慣れている。そういった点をいつも心配しているんだ。ぼくらがこの映画をやることになった後、ぼくらは「彼もぼくらと同じように動物好きだといいのに」と願っていたんだ。少しでもそういった面があればってね。そうすればずっと仕事が楽になるからね。ロウディ(ジャーマン・シェパード)もザックのことが好きだったよ。ロウディにはダブルがいるんだ。(セットアップ用の)スタンドインとスタントのためのダブルがいるんだ。だから彼も一緒に(ザックに会いに)連れて行ったよ。なぜならこの映画のいくつかのシーンでは、彼がザックと演じないといけなかったからね。それと他の役者たちともね。実は昨日とても難しいシーンがあってね。それは町中でシェリフとザックがぶつかるシーンなんだ。とてもフィジカルなシーンで、リハーサルはオーケーだった。でもカメラが回り始めたら、みんなのエネルギーが高まるよね。役者のエネルギーが上がって、彼らの芝居のテンションが高まって、喧嘩のシーンになると、彼は本当にザックを助けようとしたんだ。だから彼をそのシーンの一つから降ろさないといけなかった。なぜなら彼は、「彼(ザック)の邪魔をするな。彼のことを掴むな。彼を押したりするな。もしそれをしたら、ぼくがあなたの面倒を見ることになるぞ!」って言いたがっていたからね。


あなたは(映画の中では)ロウディにあまり指示を出していないように、自然に見せたいとのことですが、指示はどのぐらい伝わるのでしょう?


ブーン・ナー:そうだね。まず彼らにそれを見せて、リハーサルする。彼はそこに立って、「ねえ、ぼくを見て!」といったことは出来ない。それはダメなんだ。だからすべての指示は、「あなたの方を見て、こっちを見て、そっちを見て」といったものだよ。でもリハーサルをして、自分が見ることになるのが分かると、それが決まりだと分かって、どう演じたらいいか分かるようになる。ザックの場合、多くは、、、昨日はパーフェクトな例だったね。彼らは喧嘩し、それからザックは歩き始めるんだけど、犬も彼についていかないといけない。ザックがカメラから顔を背ける、「オーケー、ロウディ、さあ行こう」となると、彼も後をついていく。立ち上がって自然に彼を追いかけて行くんだ。いくつかのトリックはあるけど、彼はザックの言うことを聞くのを分かっている。そういったことをぼくらは教え込もうとするんだ。彼はザックと歩いている時は、ザックと一緒にいないといけないのを知っている。だからザックも犬をどう扱ったらいいか知っていないといけないんだ。彼の性格を知らないといけない。彼らはお互いのことを好きにならないといけないんだよ。だからもしザックがここに歩いてきて、今彼のことを呼んだら、彼は起き上がってザックのとこに行くよ。

犬と役者の間の関係を築くにはかなりの時間が必要なんでしょうか?

ブーン・ナー:ぼくらの方法は、他の犬のトレーニング法とはかなり違う。なぜならぼくらは、非現実的な状況で仕事をすることを彼らに教えているからね。こういった現場での。カメラがあって、車両があって、犬がいて、人々がやってくるけど、犬はそういったことを気にしないで、自分がどこに行くか、自分の立ち位置に立てるかといったことを気にしないといけないんだ。そういったことを考えないといけない。それとカメラが近づいてきて、頭にズームしてきても、カメラを見ることは出来ない。「それはなに?そこで走っている人たちは?」という風にはなれないんだ。だから動物たちを映画ビジネスのために訓練する場合、そういったことを全部自分たちのランチに持っていないといけない。そこには偽物のカメラやいろんなカメラの音が入ったレコーダーがある。そこにはいろんなスピードでのカメラの音が入っているんだ。マイク用のブームもあるよね。なぜなら毛がついた(風防のブリンプの中に入った)マイクが撮影中は、彼らの頭の上を動き回っているからね。犬はそういったものに噛み付きたがる。なぜならそれが猫かなにかみたいに感じるからね。だからそういったものに慣れさせないといけないんだ。そして「オーケー、あなたはちゃんと訓練された、素晴らしい映画の動物だ」となるんだ。なぜならすべての動物が映画に適した動物というわけじゃないからね。ぼくが決して役者をやれないようにね。ぼくには無理なんだ。ぼくはカメラの前に出たらうまくやれない。動物も同じだよ。カメラの前に立つのが苦手なものがいるんだ。彼らは一つ目の大きなレンズに追い回されたり、それを顔の前に突き出されたりするのは好きじゃない。だから動物たちに映画の仕事ですることを好きになってもらうのを期待するんだ。


そういう動物たちの資質は分かるのでしょうか?

ブーン・ナー:分かるよ。最初の数週間で分かるね。その訓練している犬や猫や動物たちが、カメラの前でも大丈夫になるかどうかはね。ほんとんどの場合だけど。でもぼくらも間違いを犯したことはあるよ。現場が予想以上に大騒ぎになっていたりしてね。そこでは違うエネルギーが感じられたんだ。彼らはたくさんのエネルギーやボディ・ランゲージ、アプローチの仕方で動く。それは自分のボスが部屋に入ってくるみたいなものだね。スタジオの最高責任者がここに入ってきたら、身の振る舞い方やすることすべてが変わるよね。自然にやろうとするし、自己紹介しようとする。でもそういったことは普段と違う。彼らもそういうのを感じるんだ。ぼくのランチでやる訓練では、そういったエネルギーを再現するのは無理だよ。そういったバイブはね。ぼくらが映画の撮影で普段やるのは、自分が躾ているもう一匹の動物を現場に連れて行って、仕事が無い時に、その動物をさりげなくその場に出して、そういう状況に慣れさせるんだ。そうやってトライするんだ。でも時々、、ある犬を何ヶ月も使って訓練したけど、その犬はカメラをすごく怖がっていてね。ステディカムが怖わかったんだ。なぜならそれは人間の上に乗っていて、いつも走ったり動いたりするからね。それをとても怖がったよだ。決して慣れることはなかったね。


役者が(撮影の後)犬たちを連れて帰りたいと言い出すことはないですか?

ブーン・ナー:いつもだよ。ほとんどすべての作品でそうなるね。なぜなら彼らは動物でこれ以上ない振る舞いを見ているからね。躾けられたね。誰でもナイスで訓練された動物を欲しがるんだ。もし自分の子供を躾けられたらと思わない?どこかに連れて行って、大人になった後引き取るんだ。「なんてこと。あなたは、私が思ったようにならなかった」と嘆くでしょ。彼らもそれが分かる。彼らは(その動物の)最高の中の最高の状態を見るんだ。だからみんな家に連れて帰りたくなるんだよ。


そういうことは実際にあったのですか?

ブーン・ナー:あったよ。いくつか上げたことはある。私たちの動物の多くはシェルターやレスキューしたものなんだ。シェパードが4匹いたけど、2匹はレスキューから来たものだよ。この犬(ロウディ)と彼の兄弟はね。一匹はドイツから来たんだ。ぼくがドイツに飛んで、まだ幼い時に訓練した。そしてもう一匹は、南カリフォルニアのブリーダーから来たものなんだ。彼からその犬を手に入れた理由は、、、彼らは訓練された犬を3万ドルから6万ドルで売るんだ。でももしそれらの犬がパーフェクトでなかったら、、、歯並びが少しよくなかったりしたら、きれいじゃなかったら、彼らは売れないんだ。そういったことは見ても分からないんだけど、彼らは自分たちのレベルを維持したいからね。彼らのジャーマン・シェパードの血統をね。で、彼はその基準に達してなかったんだ。でも素晴らしい性格の持ち主だった。ぼくが彼を手に入れたのは、彼が1歳の時だよ。今は5歳になっているけど。



どのぐらいこの仕事をしていますか?

ブーン・ナー:約35年だよ。世界中30カ国で撮影してきた。それは奇妙な出来事の一つでね。テレビを見ていたら動物が出てきた。それが仕事だとはその時はまったく思わなかった。それからカリフォルニアに来て、誰かがこの場所について教えてくれたんだ。映画の仕事をするね。彼らは(動物たちの)うんちを拾う人たちを必要としていて、それをやることになったんだ。今でもそれをしているけど。

今はもう少しお金を貰えるようになったけどね。そうやってそのビジネスに入ったんだ。そしてたまたまぼくはそれに向いていた。普通自分が得意なものが好きだよね。生活していくのになんて素晴らしいやり方なんだと、ぼくは思ったよ。

映画「一枚のめぐり逢い」 2012年6月16日全国ロードショー

監督:スコット・ヒックス(『シャイン』、『幸せのレシピ』)/脚本:ウィル・フェターズ(『リメンバー・ミー』)/原作:ニコラス・スパークス(『きみに読む物語』、『メッセージ・イン・ア・ボトル』、『最後の初恋』)/製作:デニーズ・ディ・ノービ、ケビン・マコーミック/製作総指揮:ラヴィ・D・メタ、アリソン・グリーンスパン、ブルース・バーマン 主演:ザック・エフロン(『17 Again』、『チャーリー・セント・クラウド』)/テイラー・シリング(『肩をすくめるアトラス PART 1』)/ブライス・ダナー(『ミート・ザ・ペアレンツ』、『ミート・ザ・ペアレンツ2』) 配給:ワーナー・ブラザース映画 (C) 2012 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.

映画「一枚のめぐり逢い」オフィシャルサイト

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