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October

ペット業界 プロの苦悩~良識?親切?おせっかい?

2012.10.20 TOTAL ACCESS:101

ペット業界 プロの苦悩~良識?親切?おせっかい?

ペットに関わるお仕事をしている、いわゆるプロの人たち。動物を愛していて、プロになったら・・・。いったいどんな苦悩があるのでしょうか?

子犬販売者

新しく子犬を迎えるご家族の元に、Y子さんはダックスフンドをお届けに行きました。
小学生の3姉妹はもう子犬が欲しくて欲しくてたまらなくて、ずっとおねだりしていたそうです。やっとご両親の許可も出て、もちろん3姉妹で力を合わせて面倒を見るからとしっかり約束をして、ずっと欲しかったダックスフンドを買いました。さあ今日から新しい家族が増えるのです。

今は動愛法で子犬をお譲りする時の説明内容にも決まりがあります。もちろんY子さんはキチンと子犬の飼い方について詳しく説明していきました。特にこのご家族はご両親が共働きですから、昼間の子犬の面倒は可愛い3姉妹が見る事になります。新しい使命に対して期待と不安がないまぜの姉妹に、なるべく分かりやすいようにお話をしている最中のことでした。
「ワンちゃんがウンチをしたら、なるべく早く取ってあげてね。踏 んじゃうと汚れてしまうし、臭くなっちゃってワンちゃんもイヤだ からね。」
「やだ」
「いや」
「絶対や」
・・・??
あまりにきっぱり3人がイヤだと言うので、思わずY子さんは後ろに座っているご両親の顔を見上げてしまったそうです。
すると
「みんなウンチだけは取りたくないって言うんですよ~困るわ~」
・・・・・???
もちろんY子さんはそれから頑張って色々説明して説得しました。
それでも3姉妹はウンチだけは絶対とらないと言い張ったのだそうです。そして両親もそれについて何も意見をしなかったと。一応親御さんには念をおしてきたものの、ウンチをとらないと断言している子供達に子犬を渡して帰ってきてしまったY子さん。
ああ自分は子犬販売者としてドウなのか、でもあの姉妹もきっと可 愛い子犬と共に暮らすうちに、子犬の為にウンチをとってあげたくなるに違いない。それこそが子犬を飼う事の幸せであり効果なので はないか。ああでももし本当に掃除をしてあげていなかったら、、、Y子さんの良識ある苦悩はまだ続いています。

ペットシッター

Mくんは、ペットシッターを希望される新しいお客様のところに初めての打合せ面談に伺いました。飼い主様とワンちゃんと顔を合わせて、ご依頼のお世話の方法などを確認をさせてもらう大切な機会です。お客様はとても感じのよいご夫婦で、しつけの方法についてなど話も盛り上がり、トレーニングも一緒に勉強することに、、、
実に良い雰囲気だったのですが。
ワンちゃんを触ったMくんが「ん?」と顔をしかめました。ワンちゃんの首輪のあたりに随分と湿疹があったのです。ああMくんはこういうのが許せません。
「あーコレは可哀想です!愛犬家として、しつけ以前の問題です! まずこれを治さないと話にならないです!この湿疹を治すには、コレコレこういうサプリメントもありますよ、薬だとコレコレこうい うものでア~なってコ~なって、幾らかかって・・」 ああ、始まってしまいました。

結局このお客様は、Mくんに最初予定していたシッターの依頼もしませんでした。Mくんは正しいことを言いました。正しい知識を伝えました。全く間違った事はしていません。それでもこのお客様にこれから色々な事をお伝えして行く機会そのものを、失ってしまいました。もちろん何の後悔もしていません。でもどうしても気になるのです「あのワンちゃんの湿疹、治療してあげただろうか?」
と。ご依頼を頂けなかったので、もうあのワンちゃんに会う事もで きなくなってしまいましたが。

100%正しいことはない!

誰にでも、動物を飼う権利、動物を飼う幸せを知る権利はあります。
販売者には、動物を適正に飼う方法を説明し理解させる義務があります。
でも各々の「良識」はなかなか計る事はできません。「正しい犬の飼い方」というものも1つではありません。
アマチュアが常に間違っている訳でもないし、プロの言う事が常に100%正しいわけでもないのです。
教科書通りに飼うことが犬の幸せに繋がるのかも分かりません、野良犬は自分を不幸だとは思っていないでしょう。

そんなアヤフヤな価値観の中で、それでもプロは頑張っています。
見つける事のできない答えを探して。

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